SAPコンサルに求められることの変化
佐藤:SAP業界の状況を前回話してもらったんだけど、今回はSAPコンサルとしてどんな人が求められるかというところを話してもらえたらなと思います。
早速なんですけどSAPコンサルの人の活躍の仕方って10年で変わってると思うんだよね。
どう変わってるか教えてもらっていい?
伊藤:10年前は作り込みっていうところがメインになっていたから、ある特定の分野を深くしていく、要はSAPの例えばテーブルの構造だったりとか、項目がどういうものがあるかというところをシステムとして深く知っていく、そしてその知識を元にアドオン開発の設計書を書いていくというところがまず最初求められていたところ。
ただ、今新しいシステムを作っていくにあたって、アドオンを減らして標準の機能を使えるところを使い倒していこうという流れがあるから、はSAPの標準の機能というところが広くどういうものがあるか、それは知識としてより求められているかなと思います。
佐藤:昔はSAPってまずはモジュールで分かれるよね。
さらにその中でサブモジュールでこの画面のこの機能だけ担当してたイメージなんだよね。特に若手は。
でもそうじゃなくて若手もF Iのモジュールをしっかりと標準機能を網羅しようねって変わった感じ?
伊藤:そうなんだよね。前提となるのは知識。
会計というものがどういうもので、なんの目的でそういうオペレーションをしないといけないかわかっていることが重要。
それがわかっていないと、ユーザーと話している時にユーザーが話していることがわからない。
それがわからないとSAPにどう落とし込めばいいか当然わからない。
業務的な知識とSAPのモジュール機能の知識の両方を持っていて繋げられるスキルがより必要になってくるかな。
佐藤:この後の動画でも話したいんだけど、育成めっちゃ大変じゃない?
業務も知るって。例えば10年前だったら、業務のところは経験値ある先輩がやって、そこである程度要件とか、仕様を固めて、それを落とし込んできたやつをやるって感じじゃない。
でも若手だろうがなんだろうが業務ありきでそこをちゃんと知っていて融合できる状態を作って現場に行くってことでしょ?
ある意味そういう大変さもあるんだね。
伊藤:そこは大変なところ。
人材が枯渇しているっていう話をしたと思うけど、やっぱり強制的に育てられるようなスキルじゃなくて、複合的に知識がないと活躍ができない業界なのでそこはやっぱりハードルとしては高い。
コンサルの価値やリスペクトなど在り方が変化する兆し
佐藤:ニュースピックスとかでもよくアクセンチュアがめちゃくちゃ伸びてるっていうのがあるじゃん。
僕らの時ってアクセンチュアめちゃくちゃすごいけど、コンサルっていうのはビジコンの世界の話でしょとかさ、マッキンゼーとかそういう人たちがトップにいてそれ以外は全然みたいな風潮ってあったじゃん。
しかもSAPコンサルとか言ったらさ、コンサルじゃねえじゃんみたいに言われてたじゃん。
そう言った意味では、今はより業務の方にも入ってきてるし、さらに当時のトップだった外コンとかもITをしなきゃだめってなってるじゃん。
やっぱりどんどんコンサルのあり方も変わってんのかな。
伊藤:変わりつつあるかなと。さっき言ってくれたSAPコンサルってエンジニアじゃないの?コンサルじゃないよねみたいなのってあったし、今それが完全にないかっていうとそうじゃないかなって、それはやっぱり思ってて。
ただ、日本特有で海外とかは、もうSAPのコンサルはすごくリスペクトされていて、そもそもそれをやっている人は大体MBAも持っているから、会計も知っていたりとか、そういう人はコンサルタントとしてリスペクトされている。
日本で結構大きいITの企業がコンサルもやるっていうとこがあるけど、海外は意外とそんなになくて、どちらかというとコンサル会社がSAPの導入もしているっていうのがあって、
そこのスタート地点が違っていたりとかさっき言ってくれたように、コンサルの仕事って今SAPに限らずITっていうキーワードなしで語れる仕事ではなくなってきてるから、SAPコンサルとしての価値、リスペクトは変わってくるんじゃないかなっていう気はしてる。
佐藤:当時SEとかで頑張って、時代が変わってきたんだぞっていうところはシェアしたいよね。
こういうのって知らない人多いと思うし、俺も教えてもらって知ったから。
伊藤:専門知識を持ってそれでクライアントに対してバリューを発揮するっていう意味ではシステムであろうがITであろうが会計であろうが法律であろうが関係ないと思うからそういう意味では、期待に応えられるバリューを発揮し続ければ自然とリスペクトされるかなと思います。
佐藤:だいぶ変わったねそこは。
SAPコンサルの3つのキャリアパス
佐藤:じゃあSAPコンサルとしてのキャリアパスって変わってきてるの?
伊藤:キャリアパスは正直変わってないかな。
必要な知識は変わってきてるんだけど。
キャリアパスって大きくは三つあって、一つはSAPコンサルとして経験を積んで最終的には独立をしていわゆるフリーランスのコンサルとして活躍していくっていう道。
もう一つはいわゆるコンサル会社のような企業に属してキャリアを積んでいく。
大規模プロジェクトのプロジェクト管理をしていくようなキャリアを築いていく。
もう一つは事業会社にいくっていう道もあるかな。
佐藤:事業会社ってあんまり見なかったけど、そういうの増えてるの?
伊藤:増えてると思う。SAPって大企業だとどこも使っていて、企業も必要としているから。
なのでコンサルティングファームから事業会社に転職する人も多いかな。
佐藤:大きく3ステップあると思うんだけど、最初はSIerとか入って研修とか受けるじゃん。
それで現場でOJTで配属されて経験値ある先輩方から学んで、自走して、それで次にじゃあコンサルとしてやっていきますか、PMの方目指していきますかっていうの別れたじゃない?10年前とか特に。
そこって変わらない?そこで力をつけていざ独立するのかとか事業会社とかSIerとかに転職してさらに高みを目指すのか、みたいな流れなのかな。
伊藤:そこは大きくは変わってないかな。
あとは自分がどういうキャリアプランとかどういうスキルを築いていきたいかっていうSAPの知識をすごく詳しくなってそこの専門家になりたいっていう人は独立をしたりとかっていう道が一番近いと思うし、
もう少しより上流のシステムを企画から始まって、自走していくっていう場合はコンサルにいくっていうのはそういう経験が積める。
もしくは事業会社でユーザー側で入るっていうのもキャリアパスとしてはある。
DXの流れとITコンサルの役割
佐藤:ユーザー側の企業に入るって今ITの案件とか自分の会社とかでもやってたりするんだけど、トレーニングもしたりしてるんだけど、見てて思うのは、ITの案件で事業会社の中に元々SIerでしたって人がどんどん増えてきたなって思っていて、
それはSAPだからじゃなくて、WEBサイトとかもそうなのよ。
やっぱりDXの流れが来ているからだと思うし、事業会社こそ必要なんだろうなって思うんだよね。
伊藤:日本の文化的な部分でITってすごく縦割りになっていて、そこの垣根を外してDXって出来なくて、そこの垣根を越えてくれる人材としてコンサルを入れるっていうケースはあると思う。
佐藤:やっぱり変わる部分と変わらない部分が色々あるんだね。
そういう時代の流れを知るとか、そういうふうに知った上で、大きな流れって大体情報あるから、そこを知っていって、自分の人生のゴールと照らし合わせて選んでいくって大事なんだなって聞いてて思った。
伊藤:あとは、何が自分が楽しいと思えるか、面白いと思えるかってすごく重要。
佐藤:みんな思われてると思うけど、SEとかの業界、ITとかの業界ってブラックって言うじゃん。今はそれがだいぶ緩和されてると思わない?
でもやっぱりそこで自分の中でも、達成の喜びとか自分が楽しいと思えるって大事だよね。
伊藤:それがないとなかなか続かないとおもう。
佐藤:次はSAPコンサルとして、活躍するために必要なことっていうのを紹介してもらえたらなって思います。