佐藤:では前回の2025年の崖に引き続き、今回はSAPの業界について紹介していこうと思います。
前回初めて話していただいたんですけど、ちょっと緊張しましたか?
伊藤:Youtubeデビューだったので緊張しました。(笑)
佐藤:そういうのはやっぱりありますよね。(笑)
元々僕たち会社の同期なんですよね。なのでタメ口で行きますか。
伊藤:そうしましょう。
SAPの業界について
佐藤:では、早速なんですけど、2025年の崖でSAPについて紹介してもらったので、
「SAPってどういうものなの?」
「業界の流れってどうなってるの?」
というのを10年選手の伊藤さんから聞こうかなと思います。
そもそもSAPってどういうもの?
伊藤:SAPは企業のヒト・モノ・カネをデータとして記録するシステムです。
一言で言うと、バックオフィスのオペレーションを実行するためのシステムと言う理解が正しいと思います。
例えば人事とか会計、あと調達系、販売、製造、これらを管理するためのシステム、というのが正しい理解かなと思います。
SAP業界の10年前と今
佐藤:僕らってお互い10年選手じゃん?
10年SAP業界にいた中で、SAP業界の流れがどういう風に変わってきたのかを教えて欲しい。
伊藤:大きくはさっき言った2025年の崖、今使っているシステムが足枷になって新しいシステムへのアップグレードがしづらくなっていて、
今使っているシステムがすごく作り込まれていて、10年前我々がSAPを導入した時とかものすごく大勢の人間が入って、50人とか100人とかプロジェクトを組んで、それぞれのコンサルタントがアドオンの設計をしてそれをエンジニアが作って、また作った結果をコンサルタントがテストをしてそれを見る。
なので一人一人のコンサルタントが見る領域が狭いんですよね。
佐藤:確かに、みんなここだけやってるっていうのが多いよね。僕ら1年目とかだったとき、同僚で飲んだ時とか大体愚痴で言ってたじゃん。
「俺のやってる範囲はここだけなんだよ」とか、「思ってたのと全然違う」というのをみんな結構言ってたなって。
若手はテスターが多いの?
伊藤:設計、テスターっていうところが多かったかな。
佐藤:SAPコンサルって言われるぐらいだから、コンサルのイメージがビジネスコンサルとかのイメージが強いからそれで期待していったりするじゃん。
新入社員ってどういう仕事するかわかんないじゃん。
やっぱり当時はそういうところに苦しんだの?
伊藤:案件にもよるんだけど、特に大規模案件に参加していた我々の同期とかは、そういうことが多かったかな。
佐藤:カスタマイズがメインだったでしょ?アドオンか、SAPで言ったら。
アドオンメインにしちゃうとみんなバグがあってとにかくSAPメンバーってとにかく残業してるイメージがすごく強い。
しかもやりたいことと違ってやめていった人が多いイメージ。合ってる?
伊藤:正しいと思う。
案件にも当然よるので、そうじゃない案件ももちろんあるんだけど、一般的な案件としてはそういう傾向が多かったなっていう印象かな。
佐藤:僕らが雇ってもらった会社だからじゃなくて、業界全般として大きな流れとして同じことが起こってたんでしょ?きっと。
伊藤:人が多ければ多いほど、それを管理しないといけない工数がかかってくるので日本の文化だけど品質にすごく厳しかったりするからその品質を担保するための作業というのはすごく多かったかなという感じ。
佐藤:10年前と今というのは2025年の崖もあったし、やっぱり色々変わってきたところってあるの?
伊藤:2025年の崖の原因が作り込みをしすぎたことっていうアドオンが原因になっていて、同じことを繰り返すわけにはいかないとある意味今使っているシステムと同じ轍を踏まないという反省があって、それは企業一般にその認識をしている。
その裏返しとして新しいシステムを導入するときはアドオンの作り込みをしないで業務をSAPの標準の機能に合わせていくというところは元々10年前もそういうことを言われていたんだけど、それがより厳しく必要なプロジェクトのゴールとして定義づけられるということが多くなってきている
佐藤:私もERPの事業をやってたんですよ。
その時ってやっぱり日本固有の業務によって変わるから、うちは特殊だからそのパッケージは合わないよって魔法の言葉のようになかった?
伊藤:それはあったと思う(笑)
そこが特殊なのは仰る通り特殊だと思うけど、バックオフィスの基幹業務の特殊性がどれだけ売り上げに寄与しているのかとか企業の価値をあげているのかっていうと、結局そこはそんなに企業の価値をあげていなくて、
どの企業もやるべきことは同じで、財務会計で言えば、会計基準というのはどの会社も同じモノだから、業務というのは同じで品質に差ってないから、そこはSAPの機能に合わせてより差別化しないといけないことに注力していかないといけない。
佐藤:それだけやっぱりSAPの業務として変わっているっていうところもあるから、この後は、SAPコンサルの活躍ってどういうものがあるのかなとか、これからはどういう人たちが求められるかといったところを教えていただけたらなと思います。