こんにちは!
株式会社Story’s 代表取締役の佐藤です!
エンジニアの方やこれからエンジニアを目指す方に向けて、弊社が運営するYouTubeチャンネル「Story'sチャンネル」で伝え切れなかった内容や補足を解説していきます。
人生100年時代が到来し、人生に新しいステージが現れていくと思います。
Withコロナ時代がまだまだ続いていきそうですが、体調管理にも気を付けながらより良いSroryが皆様に訪れることを心よりお祈り申し上げます。
このブログをきっかけに「あなた」のお役に立てたら嬉しいです。
さて、今回は「ITエンジニアが必ず知っておくべき「2025年の崖」の概要について解説!」の動画では解説しきれなかった「2025年の崖を機に生き残れる人材」について紹介します。
1.「2025年の崖」とは?実態は2027年までMAXで2030年まで延長!
まず「2025年の崖」は、経済産業省が2018年に公表した「DXレポート」と呼ばれる資料の中で初めて使用されました。「DX」とはDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略です。
なぜ「DT」ではなく「DX」と略すのかと、私も最初疑問に思いました。英語圏では「trans-」の略に「X」を使うので「DX」と略すようです。
具体的に「2025年の崖」とは、企業が抱える古い基幹システムを起因とするシステム障害が、2025年以降に多発するリスクを指す言葉です。
このまま老朽化したITシステムを刷新することなく2025年に突入すると、システム障害の発生数が3倍になると試算されています。
仮に日系企業がこのまま「DX」を推進できなかった場合の経済的損失を、最大年間で12兆円と算出しています。
これはあくまで年間の経済的損失であり、2025年以降は毎年12兆円もの経済的損失が生じるものとして、経済産業省から強く警鐘を鳴らしているのです。
その背景にあるのは、ITの人材の不足や多くの企業が導入している「SAP ERP」の保守サポート終了です。
「SAP ERP」は長期間にわたって世界ナンバーワンのシェアを誇った基幹システムのことを言います。世界では25業種・5万社が導入しており、日本国内では約2,000社が導入していると言われているようです。
「2025年の崖」の概念が公表されたのは2018年ですが、SAP社は2020年2月に「SAP ERP 6.0」の保守サポート期限を2027年末まで延長することを発表しました。
つまり、SAP ERPの保守サポート終了に起因する2025年の崖問題は「2027年の崖」として後ろ倒しになったと考えられます。
延長保守料を支払うことで、さらに保守期限を3年間延長し2030年末まで保守サポートを受けられるオプションも用意されているようです。
2.「2025年の崖」が企業に及ぼす具体的な課題
先程は「2025年の崖」について紹介しました。
「2025年の崖」によって影響を受ける企業は、大企業ばかりではなく中小企業も含まれるとされています。
ここからは「2025年の崖」が企業に及ぼす具体的な課題について3つ紹介します。
①システムの維持管理コスト
会社によって異なるとは思いますが、現状老朽化したシステムは今の最新技術により構築されたシステムよりも維持管理コストの面で大きく劣ってしまうと考えられます。
技術的にも古いシステムであるため蓄積できるデータの量が極めて小さかったり、その場しのぎの改修を続けてきたためプログラムのロジックが極めて複雑だったりして改修が難しいことが多いです。
こうした既存システムを再構築しようとすると万が一失敗した場合の業務的なリスクが大きすぎるため、「DX」を推進するのに躊躇している企業が多いと考えられます。
②システムのブラックボックス化
多くの企業では既存システムのドキュメンテーションを正しく行ってこなかったことによるシステムのブラックボックス化が生じています。
システムがブラックボックス化した状態のまま維持を続けていけば、今後老朽化したままのシステムを維持管理することができなくなる可能性もあると考えられます。
こうしたリスクを避けるためには今のうちに老朽化したシステムを新しくすることが重要です。
③属人化の解消
属人化はスキルや経験則によるもの、センスを持つなど特定の人材に頼っている状態のことを言います。
上記②のブラックボックス化と同様、システム担当者が退職や離職してしまうと業務に支障が出てしまいます。
属人化は特定の作業及び業務に関して、部署に関係なく特定の方でなければできないことが課題となっている場合が多いと考えられます。
また、特定の権限や役割を持つ方の業務や作業も属人化しやすいので、何らかの判断を伴うような場合は、判断基準が明確ではないので業務が停止・停滞するリスクがあります。
バックオフィス業務においても手順や処理自体は簡単なのに担当者がいないだけで事務処理が進まないような状態も属人化と言えます。
特に上記②や③のブラックボックス化や属人化を引き起こすのは、ナレッジやノウハウの蓄積や共有が行われておらず、個人差があり業務内容が統一されていないことが主な原因です。
恐らくほとんどの経営者の方は、ブラックボックス化や属人化が招く上記のような課題を知りませんし問題提起もしていないと思います。
こんなことが起こっているということを知ったら、改善が大きなメリット(改革進行、販管費の削減)になることは明白となり、いち早く解決するために動くことが必要だと考えられます。
3.障害はチャンス!エンジニアに求められること!
「DX」を推進できなかった場合の経済的損失が最大年間で12兆円となるようですが、これからのIT業界を生き抜くためには何が必要なのでしょうか。
ここではエンジニアの人材が不足する中で、企業がエンジニアに求めることを3つ紹介していきます。
①業務標準化しタスクに落とし込む能力
業務標準化の対象となる業務や作業をピックアップします。
業務標準化とは、一般的に業務フローを最適化し、誰が担当しても同じ成果を出すためのルールを確立し実行できる状況をつくることです。
ピックアップした業務を誰が担当しても分かるようなタスクに落とし込んで業務標準化を進めることをオススメします。
業務標準化を進めることによって、その担当者が不在の時でも業務の滞りを防げることに加えて、業務内容が明確になることで効率化に繋がるためです。
業務標準化を進める際に業務の可視化してマニュアルを作成しておくことで、業務標準化しやすい状況を整えましょう。
以上のことより、業務標準化しやすい業務をピックアップしタスクへ落とし込む能力が求められると考えられます。
②優先順位が高い業務からタスク化する能力
業務標準化するためには時間的や労力的に削減する効果が高い業務から優先して行うことをオススメします。
単純な作業で日々同じことを繰り返すようなルーティーンワークとなる業務・作業の業務標準化から改善することが最優先事項です。
業務標準化を進めていき時間や労力が削減されてくると「どうして今までこんなに時間をかけていたのか」や「どうしてこんなに無駄な労力をかけていたのか」ということに気付くと思います。
特定の人材にしかできないことと、誰でも出来ることを明確化することは、属人化とブラックボックス化が解消されることによる解決策だと考えられます。
以上のことより、企業の優先順位を把握しタスク化が出来る能力が求められると考えられます。
③最終的に求められるのは魅力的な人柄!誰と一緒に仕事をするか!
最適化や効率化ができるIT技術やサービスを選定し導入することで、企業内の業務標準化が進みやすくなります。
「DX」の推進も並行して進めていくことで、業務標準化と働き方改革も進んでいくと考えられ、職場環境改善にも繋がっていきます。
業務標準化によって業務のブラックボックス化や属人化が発生しにくい環境になるからです。
その環境を整えていくために、業務標準化を進める企業様の代表取締役、役員、従業員、企業様の取引先の現状や求めていることを把握する力は必須ですが、それ以前にその方々とのコミュニケーションを円滑に進め、信頼・信用を得ていくことが最重要だと考えています。
企業様の業績への貢献で信頼・信用を得るのはもちろんですが、それまでは魅力的な人柄が大切になります。
コミュニケーションを大切にして、求められているものを求めているタイミングで提供していくことが大切なのではないかと思っています。
業務的なスキルも大切ですが、一緒に仕事をしたいと思われる魅力的な人柄・人間力を日々磨くことが最終的に一番重要だと思います。
今回は2025年の崖を機に生き残れる人材についてご紹介しました。
株式会社Story’sでは、IT業界の経験を問わず、単価の上がりやすい上流工程(企画、要件定義、設計)をメインにOJT形式で即戦力となるための育成サービスを提供しています。
上流工程では、お客様とのコミュニケーションが大切になりますので、上流工程で活躍できるエンジニアになることで2025年の崖以降も重宝される人材となります。
また、「あなたと一緒に仕事したい」と思われるビジネスマンになるための大事な心構えについてもお伝えしています。
「過去の経験を活かしながら、日々チャレンジしていきたい」、「弊社のサービスについてちょっと気になる」という方がいらっしゃいましたら、是非お気軽にコンタクトフォームよりお問い合わせください。
次回は「【ITフリーランス必見】2025年の崖で受ける影響3選」について紹介します。
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